女性の心を落ち着かせる言葉

女性の美意識とオキシトシン|詩人ランボーの未知なるもので女性の悩み解決をパサージュ

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女性の悩みを解決する。オキシトシンと女性の美意識を詩人ランボーのエクリチュールで説く

・未知なるもの=他なるもの ランボー・バタイユ・小林秀雄をめぐって;湯浅博雄

*『イリュミナシヨン』における美の一考察

『美しい存在=美しくあること』

・『イリュミナシヨン』と美学
「『地獄の一季節』を綿密な構成とオーケストレーションを持つ交響曲とすれば、『イリュミナシヨン』は多声楽組曲に喩えることができる・・詩人の声はいくつかの主旋律を追うが、そのひとつは<Being Beauteous>を究めようとする・・『イリュミナシオン』において詩人はいかに『美』の概念をとらえているだろうか、<Being Beauteous>とは何であろうか・・」p22(1)

・ランボーの美は愛であった
「ランボーにおいては、美への関心も基本的に彼の『愛を創り直す』(『狂える処女』)という気遣い、人間と人間とのあいだの関係を変える(ひとりの人間の他者との関係を変える)という気遣いと切り離されることはなかった・・(ただし『初期詩集』の多くの詩篇と、『見者の手紙』以降の詩作との間にはある種の転回があることを見逃すことはできない・・初期に見られたユゴーとかミシュレに近い『愛』の観念は、『見者の手紙』以降は大きく変化している)・・それはまず第一には社会的・歴史的な現実のなかで『火を盗む』プロメテウス的な行為を実践するということであり、それを彼は『詩人ー市民』の責任とみなしている・・同時に彼は、『ぼくは自分を見者にしようと努めているのです・・諸々の苦悩は莫大なものですが、強くあらねばなりません。詩人として生まれねばなりません。そしてぼくは自分を詩人であると認めたのです』と書き・・『詩人ー市民』と書いたすぐあとで『詩はもはや行動を韻律化するのではないでしょう、詩は先駆するものでしょう』とも記している・・」p22(5)

・ランボーの美;オルフェウス=プロメテウス
「『詩を書くこと』を実践するプロメテウス・・オルフェウスでもあるプロメテウスという立場を提示している・・彼のプロメテウス的公準に従えば、『美』は『善』と異なるものではないとされる・・美的価値は倫理的価値となんらかの回路を通じて照応しているはずなのである・・こうしたオルフェウス=プロメテウス的な見地からは、『美』とはどのように考えられているのだろうか・・」p23(7)

・『ビーイング・ビューティアス』の検討
「この英語題名についてハケットは<Being>は現在分詞とも人とか物を指す実名詞とも解せるので<Etant beau美しいこと>または<un Etre de beaute美しいもの(存在)>と訳せると指摘・・アンダーウッドは詩の冒頭にある<Un Etre de beaute>がランボー自身の翻訳であるというが・・ランボーは意識して二重の意味に用いている・・この詩では一方で『美しい存在』が経ねばならぬ変身が問題となり・・『美しくある』ために必要な条件を暗示するこの存在を力動性が表現されている・・」p23(12)

『雪を背景に、背の高い『美しい存在』。死の喘ぎと内にこもった音楽の波紋が、熱愛の的のその身体を亡霊のように立ち上がらせ、大きくし、震えさせる。深紅の、また黒々とした傷口がその壮麗な肉にあいだにぱっくると口を開く。』

「美しい存在はこうして力動的に(立ち上がり、大きくなり、震える)『熱愛の的の身体』として現われる・・この身体は壮麗な肉を誇示するが、そこには深紅の、また黒々とした傷口もみられる・・」p24(6)

『台架のうえ、その『ヴィジョン』のまわりに、生に固有な色彩が濃厚になり、舞い続け、くっきりとなる』。

「『台架』という語には、建設中の建築物とか、彫りかけの彫刻とか、書きかけの詩という連想が働く・・ここで重要なのは、『美しくなる(ある)』とはどういうことかという問いかけであり、<Being Beauteous>の誕生は詩人のヴィジョンによれば旧い身体から新しい身体への変身によって表象されるようだ・・」p24(8)

・『ジェニー』の約束

『退け、数々の迷信よ、これらの旧い身体よ、・・おお彼の身体!夢見られた奔出(ほんしゅつ)だ、新たなる激烈な力に横切られた優美さの破砕(はさい)だ!』

・『陶酔の朝』

『さあれ歓呼だ、いまこそ初めて、未開の作品と驚異的な身体のために!・・創造されたわれわれの身体と魂になされた超人的な約束を熱意をこめて蒐集(しゅうしゅう)しよう』

「<Being Beauteous>とはこうして『新たなる激烈な力』のよって旧い自己を脱却しよう、未聞の身体へと解放しようとする途上にある存在であり、またその変身の過程そのものである・・」p25(1)

・リシャールの解釈
「『至上の生を希求するランボーの願望は、形態を絶えずよりいっそう拡大させ、ついに他の形態へと至らせるべく極限まで導き、変身させようというこの根本的な欲求と対応している』・・『美しく在る』ためには、『存在』(人でも物でも芸術作品でも)は絶えず『生成』状態になければならない・・絶えず自己を破壊し、超えなければならない・・『旧い形態はまず自己を抉り取り(えぐりとり)、いわば自己死する』(前掲書)・・冒頭で、死の喘ぎが聞え、傷口が開き、生に固有な色彩が生理的変化の激しい高まりによって濃く黒ずむ・・」p25(3)

『そして戦慄(せんりつ)は強くなり、ごうごうと唸り(うなり)、こうした効果の狂熱の味わいが、われわれの遥か背後からこの世がわれわれの美の母にめがけて投げつける、死の喘ぎと嗄れた音楽に満たされてくると、ー彼女はうしろに退き、身をまたおこす』

・美とディナミスム
「美を孕み(はらみ)、産み出す母と考えられているのは、変身をうながして行くディナミスムそのものであり、『孕み、産み出す』ためには激しい愛(とか強烈な欲望)が必要・・こうしたディナミスムは豊穣(ほうじょう)な産出力となり、

『おお!われわれの骨格は愛に燃える新しい身体におおわれる』

・ランボー;愛の力動学
「『美しく在る』ことはこのように、旧来の身体が愛に燃える新しい身体に変身する『愛の力動学』(『H』)として表される・・」p26(1)

・ランボー<Being Beauteous>の概念の特徴
「『美しく在る』ためには、存在は絶えず生成の状態に自己を保たねばならない・・間断なく自己を壊し、壊すことで超え、『新しく』変身していかなければならない・・この変身は不動の・永遠なる理想美に到達することを志向するのではなく、ただちにまた乗り超えられる・・出現することがほとんど同時に消滅することになる・・パルナシアンたちが構想した、彫像的・形式的な理想美はランボーにとってありえない・・」p26(3)

・生成とディナミスム
「この生成はディナミスムに他ならない・・ちょうど『ジェニー』において、『彼』が、『諸々の形態が完成する動きの・・その行動の恐るべき迅速さ』によって現われ、去るように・・ランボーのこの概念を『生成的ディナミスムの美学』と呼ぶこともできよう・・そういうディナミスム的生成に応じて、『美しい存在=美しくあること』は、『新たなる激烈な力』とエネルギーがその強烈な高まりの頂点に達し・・自己の極限を超えて溢れ出す瞬間に出現と消滅のほとんど同時性として、現存と不在の瞬時の一致であるかのように現われる・・」p26(9)

 


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  • この記事を書いた人

tak

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